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2009年9月13日 (日)

マジックに学ぶ①―三上直―

 M君は幼い頃から引っ込み思案だった。近所の人に挨拶するのが苦手だった。友達づきあいが下手だった。人の中に出るのをいやがった。

 高校生のとき、授業中発表する言葉に詰まって立ち往生した。それ以来しゃべるのがこわくなった。

 これではいけないと、悪戦苦闘をした。性格を変えるためにいろいろ試みた。しかし、それらはことごとく失敗した。

 M君は人が嫌いではなかった。むしろ人がすきであった。人に嫌われるのがこわかったのだ。人に好かれようとしながら、嫌われることをしているのに気がつかなかった。

 長じて、マジックを趣味とするようになって、M君の人生は少し変わった。マジックは、しゃべらなくても表現できる。不思議なことをするM君に人々の目が集まる。緊張しながらも注目される心地よさを味わう。そして、マジックを終わって、賞賛と感謝を受けたときの喜びを知る。

 人に受け入れられ認められる行動をすることは、性格を変えようとすることよりもずっと大事なことだとわかった。

 その後M君はしゃべりながらするマジックも少しづつできるようになった。どのようにしゃべるか前以てメモ(台本)した。できるだけそのとおりにしゃべった。次第にしゃべることを怖がらなくなた。場数を踏むということ。経験より豊かな教育はない。M君は私である。

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