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2012年10月31日 (水)

サムタイについて補説

 先日、サムタイのレクチャーがあった。サムタイは舞台奇術として演じられ、とりわけ日本刀を使ってやるのがよく知られている。だから、私も日本の伝統の奇術、和妻だと思っていたが、実はそうではないのだ。

 サムタイというのは、Thumb tieと英語で綴り、れっきとした英語なのだ。親指(Thumb)を縛る(tie)からThumb tieなのだ。

 サムタイは明治時代に文明開化と共に日本に伝えられたといわれ、もともとはイタリア人奇術師ピネッティが18世紀に考案したものである。(天一・一代明治のスーパーマジシャン)が考えたもののようである。

 最初に文献として出てくるのが、明治10年以前に発刊された「大日本渡海長崎シイボルト先生直伝・座敷諸伝授」(福井歌呂久発行)といわれる。そこには「柱抜き」と記されている。

 日本で演じられた記録としては、帰天斎正一が明治13年に中座で演じたものがある。

 サムタイは伝わった頃は、柱抜きと言って、太い柱をくぐらせるものであった。それが日本の奇術のように思われるようになったのは松旭斎天一の功績による。

 天一は福井県出身の奇術師であるが、欧米で公演をした際、手が棒を通過させるようにして舞台で演じたが、両手が通過するとき手が微動もしないので観客を魅了し、サムタイといえば天一のサムタイと言われるほどになった。

 サムタイは欧米に置いても多くのマジシャンにより研究された。ポール・ロッシーニ、ダイ・バーノン、ジェイ・マーシャルなどが独自の方法を発表している。

 日本刀を使うやり方を誰が始めたかは定かではない。今では天一のサムタイの他に針金やビニールテープを使うなどさまざまなやり方が工夫されている。また、日本刀や棒ではなく、ハンカチに隠すとか輪を投げて受けるやり方もある。

 サムタイを解説した本はほとんどない。ターベル・コース第4巻にあるのも縛らせ方を簡単に述べているに過ぎない。季刊不思議第14号の高木重郎氏の解説が一番親切で丁寧である。

 参考文献:季刊不思議14号 (マジック・マガジン社 1985年)

        「図説・日本の手品」(平岩白鳳著、青蛙房1970年刊)

 ◎天一のサムタイの実演動画サイト

http://www.youtube.com/watch?v=molFMKv7BsQ

                                              ―H.S―

  はしらぬきの傳 

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コメント

 いつもコメント寄せていただき、有難うございます。
先輩マジッシャンンとの交流は、マジックを学ぶ者たちにとっては貴重な勉強の機会と考えています。アフターマジックの集いなど、いろいろな機会に、先輩の皆さんにマジックを学びましょう。

投稿: 和やかステージ | 2012年10月31日 (水) 18時20分

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