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2012年11月 4日 (日)

レクチャー「ワインと日本酒の比較」―②―

江戸時代、日本酒は畿内の京都と兵庫で造られ、江戸や地方に運ばれた。畿内で酒が造られたのは、富裕層が酒に金をかけ、上等な酒を造るようになったからだ。それ以前、室町時代に奈良の寺でろ過、火入れなどの新しい技術が開発されて、保存や長距離輸送ができるようになったのだ。それに加えて樽廻船により海上輸送が盛んとなったことも関係している。畿内の酒が江戸に行くので「下り酒」と言われている。

 明治時代になって酒造りは産業化した。そして鉄道という交通手段により日本中に広まった。酒は米とよい水があればどこででも造ることができるので全国に普及した。しかし、現在でも京都と兵庫で45%もの酒を造っている。

 ワインは酒と違い、葡萄がないと作れない。フランスのボルドーはワインの生産地として有名であるが、ここはもともとは沼地であった。それを改良して農地にしたのだ。葡萄の適地であったからではなく、政治的に決められたものであった。

 イギリスでは気候から葡萄を作ることができない。ボルドーで造られたワインは船でイギリスに輸出された。そして北欧へと広がっていった。

 ワインと酒の共通点は、どちらも交通手段と消費地である。ワインは船とイギリス、酒は船と江戸、という訳だ。

 ところで、ニコラス准教授は、次の飲み方について二つのフレーズを示した。

  ①食べながら飲む

  ②飲みながら食べる

 さて、どちらがワインでどちらが酒かわかるだろうか。しばらく考えてみてほしい。

 彼は、ワインにはソムリエがいるが日本酒にはソムリエがいないと指摘した。そして日本酒にもソムリエがあった方がいいのではないかと言った。ソムリエがいないのは、日本食と関係があるのかもしれないといい、例えば蕎麦屋とかウナギ屋とか特定の食事を扱う店が多いことをあげた。

 酒とワインは影響し合って飲み方が変化してきたという。ワインのように酒を飲んだり、酒のようにワインを飲むということがあるという。日本酒にもワインを意識して造られたものが出てきた。

 さて、先ほどの宿題はどうだろうか。

①はワインで、②は酒である。

 酒は肴と一緒に飲まれ、最後にご飯となる。日本人が酒を飲んだ後ラーメン屋などに行くのは西洋人には驚きだという。ワインは食事と共にあり、パンとも出される。

 昨日の、コメントに書いたのだが、「酒なくて なんでおのれが 桜かな」は、古典落語「長屋の花見」や「寄合酒」に出てくる川柳だが、江戸っ子(当時の日本人)の酒の飲み方をよく表している。寄り集まって賑やかに歌や手拍子や踊りで飲むのが日本酒という一面がある。もちろん茶道の懐石に供される酒はその反対の静のものである。

 ワインはというと、何か教養を必要とする雰囲気がある。特にフランス料理の場合はその感じが強い。だからソムリエにアドバイスを・・・・となるのだろう。

 レクチャーの後、日本酒の試飲があり、緑区の九平治酒造のワインを意識した大吟醸酒と原酒が出された。大吟醸はさすがにいい味がした。

 私は、日本は世界に冠たる「発酵文化」をもっているとニコラス氏に話した。酒、味噌、醤油、各種漬物、納豆、酢、なれ寿司、麹、酒粕・・・・それらは日本人の健康に大いに貢献している。

 白玉の歯に染み透る酒は静かに飲むべかりけり(牧水)

 

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